ガセリ菌SPは雪印メグミルクが培養したもので、人の小腸に多く住んでいる乳酸菌です。「SP」とは、雪印乳業が発見した株という意味で、スノー・プロバイオティクス(Snow Probiotics)の頭文字を指します。
ガセリ菌の生理機能でまず特徴的なことは、初めて人の消化管への定着性が証明された菌株であることです。
それまで厳密に定着性を証明されたプロバイオティクスがなかったところ、2001年に世界で初めて科学的に「食べた後、人の腸に生きたまま定着する」ことが証明されました。
8人の人にガセリ菌SPを7日間摂取してもらい、定期的に便を採取して検査したところ、摂取後30日が経過しても、5人の便からガセリ菌SP株が検出されました。
さらに、ガセリ菌SP株を摂取している期間は、便から腐敗物質が減少し、便性にも改善が見られました。
腸に長くとどまることができると、それだけたくさん悪玉菌と戦えることになります。定期的に摂取することで、善玉菌を増やしていくことも可能になるでしょう。
日本ミルクコミュニティらの研究では、ガセリ菌SP株のダイエット効果が調べられ、内臓脂肪を低減する働きなどがあることが確認されています。
肥満傾向のある人に、1日200gのガセリ菌SP株を含むヨーグルトを12週間摂取してもらったところ、平均で内臓脂肪面積がマイナス4.6%、皮下脂肪がマイナス3.3%、ウエストがマイナス1.9%、体重マイナス1.4%のダイエット効果が確認されました。
ダイエット効果に関するメカニズムはまだ明らかにされていませんが、ガセリ菌SP株が腸の動きを活発にさせたことで食べ物の移動が早まり、脂肪や糖分の過剰な吸収を防いだのではないかとも考えられます。
ガセリ菌SPには、さまざまな効用が確認されており、下記のような働きもします。
すべての作用のメカニズムが明らかになっているわけではありませんが、今後、さらなる効用の解明が期待される乳酸菌です。