クレモリスFCは、GCL1176株と同様、カスピ海ヨーグルトを作る乳酸菌です。1986年、京都大学名誉教授の家森幸男氏がコーカサス地方から持ち帰り、種を知人に分けたことから人づてに広まりました。
クレモリスFCにも独特の粘りを作る力があり、その粘り成分の元となる菌体外多糖(EPS)は、人の消化酵素によって分解されないことが知られています。
腸まで届きやすいため、血糖値の抑制や免疫活性作用など、さまざまな健康効果を発揮します。
クレモリスFCには血糖値の上昇を抑える働きがあることが分かっています。まず、マウスを3つのグループに分け、何も投与しないグループ、牛乳を投与するグループ、クレモリスFCで発酵させたカスピ海ヨーグルトを投与するグループを作りました。
次に、グルコース(糖)をそれぞれに投与し、30分後、60分後、90分後、120分後の血漿グルコース濃度を測定しました。
その結果、何も投与されていないグループは30分後にグルコース濃度がピークに達しましたが、カスピ海ヨーグルトを投与したグループの濃度はそれより低く、60分後から緩やかに低下していきました。
牛乳にも血糖値を下げる働きがありますが、牛乳のみを投与したグループよりも、クレモリスFCのほうがより高い効果が得られました。
人に対する同様の実験でも、血糖値の上昇が抑えられたという結果が出ています。
クレモリスFCの作り出すEPSには、免疫活性作用もあります。マウスを用いた実験では、インフルエンザウイルスに感染させる7日前から感染後4日目までクレモリスFC株を与えたところ、体重の減少が抑えられNK活性が上昇していました。
この結果、生理食塩水のみを与えたマウスに対して、高い生存率が示されました。
そのほか、整腸作用、ストレスによる肌機能の低下やアトピー性皮膚炎の抑制など、クレモリス菌FCには様々な健康効果があることが証明されています。