シロタ株(シロタ)

認知度の高い乳酸菌

シロタ株とは、後にヤクルトの創始者となった、京都帝国大学(現・京都大学)の代田稔(ルビ:しろたみのる)博士が1935年に培養に成功した乳酸菌です。

まだ医療が行き届かず、抗生物質も無かった時代、代田博士はチフスなどの伝染病で命を落していく子どもたちを助けるため、乳酸菌の研究をしていました。

やがて、人の腸に住む乳酸菌の中で胃液や胆汁に強く、生きて腸までたどり着ける乳酸菌を発見。そこからさらに5年の歳月をかけ、その乳酸菌を強化して培養したのがこのシロタ株です。

ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株、あるいは単にカゼイ・シロタ株、またはヤクルト菌と呼ばれ、もっとも認知度が高いといってもいいほど有名な乳酸菌です。

腸内環境を整える

シロタ株の効果としては、整腸作用がよく知られています。シロタ株を1日100億個以上、4週間にわたって摂取すると、摂取していない時期と比べて、腸内に住むビフィズス菌は3倍に増やし、大腸菌は5分の1に減りました。

これは、善玉菌を増やし、悪玉菌を減らしていることになります。また、悪玉菌が作る物質の生成を抑える作用も報告されており、腸内環境を改善する力に優れているといえるでしょう。

免疫力強化

シロタ株が作る乳酸には、腸管出血性大腸菌O-157の増殖を防ぐ作用があることも明らかになっています。

動物を使った試験では、シロタ株を飲用した群では腸管に定着するO-157の数を約100分の1にまで減らし、O-157が生成するベロ毒素の濃度も大幅に引き下げる働きがあることが確認されています。

そのほかに、飲み続けた人のうち66%にNK活性が回復したという報告もあり、大腸ガンや膀胱ガンの発ガンリスクが低減する可能性も示唆されています。

また、シロタ株はTh1細胞に働きかけ、Th2に偏ってしまった免疫バランスを調整する作用があるため、花粉症などのアレルギー症状の軽減にも有効です。