ビフィズス菌のほとんどは、pHの低い胃酸や胆汁酸によって胃腸と十二指腸で死滅してしまい、生存率が低下します。これらの細菌を生きたまま腸に届けるには、酸への強い耐性を持った細菌を使う必要があります。
BE80菌は、特に腸管通過、すなわち生きたまま腸に届くかどうかを重視して開発されたビフィズス菌です。
ほかのビフィズス菌に比べて生命力が強く、従来のヨーグルトが出荷直後から菌数が減っていくのに対し、BE80菌は賞味期限までほとんどヨーグルト中の菌数が変わりません。
また、食べたあとに胃の中で生存する菌の数も、従来のヨーグルトより多いのが特徴です。
14日間保存した市販のヨーグルトを食べた場合と、同じく14日間保存したBE80菌のヨーグルトを食べた場合では、90分後の胃内菌株の生存率に1万倍ほどの開きがあることが実験結果で得られています。
BE80菌を摂ったあとは、食物消化物の腸管通過時間が短縮されるということも分かっています。実験で得られた効果は、以下のとおりです。
健康な人の場合、口に入れた食物が肛門まで到達するのにかかる時間は72時間未満とされています。
この腸管通過時間が長ければ便秘であり、腸管通過時間を短くすれば便秘を解消することができます。
女性と高齢者は、特に腸管通過時間が長くなる傾向にあり、両者が2週間に渡ってBE80菌のヨーグルトを摂取することで、腸管通過時間が短くなることが実証されました。
なかでも女性は、腸管内のS状結腸通過時間が短くなるという結果が出ています。
S状結腸は、結腸のいちばん下にあり、直腸と連絡する部位です。S字結腸は、直腸に次いでガンが発生しやすい部位であり、ここに便を長時間溜めないことは、ガン予防にもなります。
便秘ぎみの人は、少なくとも2週間はBE80菌のヨーグルトを摂り、便秘の改善を計ってみることをおすすめします。