L-55はヒト乳幼児の糞便から分離された乳酸菌で、オハヨー乳業が2000年に発見しました。
もともと人のお腹に棲息している乳酸菌なので、胃液や腸液に対する耐性が非常に高いのが特徴です。
人工胃液を使った耐性試験では100%の生存性を示し、人工腸液での耐性試験においても、生菌数の減少が認められませんでした。
また、乳酸菌が腸内でより高い生体機能を発揮するには、腸で留まることが大切ですが、腸管上皮細胞にどれだけ付着するかを見たテストでは、対照としたブルガリア菌などに比べて、明らかに付着性に優れていることが分かりました。
これらのことから、実際に発酵乳の形態でL-55を摂取した場合においても、生菌の状態で腸まで到達し、そこで増殖する可能性が高いといえます。
L-55はアレルギー反応を抑制する効果が知られています。マウスを使った実験でも、アレルギー症状のひとつである花粉症に一定の効果が見られました。
L-55を花粉症のマウスに投与したところ、花粉症の症状である鼻かき行動、くしゃみ反応が抑えられました。さらに血清中の抗原特異的IgE抗体値が低下しました。
通常、抗原特異的IgE抗体とその抗原が結合すると、ヒスタミンなどの炎症物質が放出されアレルギー症状が現れますが、L-55を投与することで抗原特異的IgE抗体量が少なくなり、炎症物質が減少したことがアレルギー症状の緩和につながったと考えられます。
また、アトピー性皮膚炎のマウス実験においても、L-55が症状の緩和をもたらすという結果が出ています。
女性ホルモンと同じような働きをし、乳ガンや骨粗しょう症などの病気にも効果があるといわれて近年注目を浴びているイソフラボンですが、L-55を摂取すると、このイソフラボンが吸収されやすくなるという研究データも報告されています。
イソフラボンは、大豆などのマメ科の食べ物に多く含まれている成分で、大きくグリコシド型とアグリコン型という2つのタイプに分けられます。豆乳やきなこに含まれるイソフラボンはグリコシド型のものが多く、納豆やみそなどの発酵食品に含まれるものはアグリコン型のものが多いとされています。
一般に、イソフラボンはアグリコン型のほうが吸収性に優れているとされていますが、グリコシド型であっても、腸内細菌の持つ酵素の働きでアグリコン型に変換することができます。
L-55は特にこの酵素を多く産出するため、他の乳酸菌と比較すると、アグリコン量を圧倒的に増やしてくれるのです。従って、効率よく吸収されることが期待できます。