食品メーカーのネスレが保有する約4000種の乳酸菌の中で、生きたまま腸へ届き、腸への定着率もよいとされる乳酸菌です。
このLC1は、スイス・ローザンヌにあるネスレ中央研究所で健康関連の基礎研究がおこなわれていて、その研究は多くの学会誌にも報告されており、特に臨床データの多さは関係する研究者に注目されています。
生きたまま腸まで届き、腸壁に接着し、ウェルシュ菌などの有害菌を減少させる働きを持つLC1株は、腸内フローラの環境を整え、腸内環境を改善するのに有用です。
しかしそれだけでなく、ピロリ菌を減少させる効果があることでも注目されている乳酸菌です。
ピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすだけでなく、胃ガンの原因ともされており、日本ではピロリ菌感染者が約5000万人から6000万人といわれています。
抗生物質で除菌する必要がありますが、その際、LC1株を併用することで除菌率がより高くなります。
また、除菌後の対策として、再感染を予防するためにLC1を摂取するのも有効です。
他にもLC1には、さまざまな効果があることが報告されています。
まずは免疫力を高める働き。LC1が腸に届き、上皮細胞に接着すると、細胞に働きかけて、サイトカインという生理活性物質を分泌させます。
サイトカインというのは、免疫システムの細胞から分泌するタンパク質で、特定の細胞に情報を伝達する役目を担う物質です。
サイトカインが分泌されると、腸内のマクロファージが活性化されるため、大腸菌などの病原菌が減少し、その結果、免疫力が高まるというわけです。
次に挙げられるのが、自律神経を介して血圧を下げる効果です。一般的に、自律神経の交感神経が優位のときは、身体や精神の活動が活発になり、血圧が上昇します。一方、副交感神経が優位になると、体がリラックスして血圧や体温も下降するという傾向があります。
ラットに対してLC1を十二指腸内に投与すると、交感神経活動が低下して副交感神経活動が上昇し、それに伴って血圧も下降するという結果が得られました。
これらのことから、LC1は自律神経制御を介して、血圧や血糖を低下させる働きがあるということになります。